2026年7月17日
2026年7月20日

ステマ例をもとに景品表示法違反の基準と対策を詳しく解説

「自社のPR施策がステマと判断されないか不安」「口コミ施策やインフルエンサー活用の基準を整理したい」と悩む企業担当者は少なくありません。

近年は景品表示法違反による行政処分やSNS炎上が増えており、企業の信頼低下や採用悪化につながるケースも出ています。

本記事では、実際のステマ例をもとに違反となる判断基準や再発防止策を詳しく解説します。社内ルールや広告運用体制を整備して、企業ブランドをしっかり守る手がかりにしてください。

ステマ例をもとに景品表示法違反とは

ステマ問題は大企業だけでなく、中小企業でも起こり得ます。特にSNS投稿や口コミ施策では、広告であることが分かりにくい表示や、評価を指定したレビュー依頼が問題になりやすいです。実際の基準を知り、自社の発信ルールを見直すことが大切です。

この記事でわかること

  • 実際に起きたステマ例の実態
  • ステマ例で見る景品表示法違反の判断基準
  • ステマ例を踏まえた企業の再発防止策

実際に起きたステマ例の実態

ステマ問題は大企業だけでなく、中小企業でも起こり得ます。特にSNS投稿や口コミ施策では、広告であることが分かりにくい表示や、評価を指定したレビュー依頼が問題になりやすいです。実際の基準を知り、自社の発信ルールを見直すことが大切です。

 

SNSで拡散した炎上ステマ例

SNSでは、広告だと気づかせない投稿が炎上の引き金になります。特に問題視されるのは、企業が投稿内容に関与しているにもかかわらず、一般利用者の感想のように商品を紹介するケースです。

消費者庁によると、企業がインフルエンサーなど第三者の投稿内容に関与した場合、その投稿は「事業者の表示」とみなされることがあります。その場合、広告であることを明示しなければ、景品表示法のステマ規制に抵触するおそれがあります。

SNSは拡散速度が速く、投稿画像や履歴も残りやすい点も見逃せません。一度炎上すると削除後も情報が広まり、企業名検索時に関連投稿が表示される場合もあります。

特に注意したいポイントは以下のとおりです。

 

  • 広告表示を明確に行う
  • 投稿前に内容を確認する
  • 外部委託先にもルールを共有する

 

宣伝であることを隠さない姿勢が、企業への信頼維持につながります。

参考サイト:ステルスマーケティングに関するQ&A | 消費者庁

 

口コミサイトで問題化したやらせレビュー

口コミサイトでは、やらせレビューによるトラブルが後を絶ちません。実際に利用していない人や関係者に高評価投稿を依頼するのは、消費者を誤認させる行為です。

消費者庁Q&Aによれば、口コミ投稿を条件に割引を行うだけで、投稿内容を指定しない場合は、通常、事業者の表示には当たらないとされています。一方で、「星5」をつけるなど評価内容を指定した場合は、事業者が表示内容の決定に関与したと判断される点に注意が必要です。

口コミサイト運営会社が不自然な投稿を削除して、店舗情報を制限するケースも存在します。短期間で高評価が集中した場合や、似た内容が続く場合は、不正レビューとして疑われる余地が生じます。

特に注意が必要な行為は次のとおりです。

 

  • 従業員による高評価投稿
  • 知人への口コミ依頼
  • 評価指定のレビュー募集

 

一時的な評価向上よりも、自然な口コミを集める運用が不可欠です。

参考サイト:ステルスマーケティングに関するQ&A | 消費者庁

 

インフルエンサー案件が発端となった炎上事例

インフルエンサー施策では、広告表示の不備が違反リスクに直結します。企業側はPR依頼のつもりでも、表示方法によってはステマと判断される対象になります。

実際に消費者庁は、サプリメントに関する表示がステルスマーケティング告示に該当するとして、2024年11月に大正製薬に措置命令を行いました。インフルエンサー自身の元の投稿には『PR』と明記されていたものの、その投稿を自社サイト(LP)に転載する際に広告表記を排除または明示せず、一般の口コミのように見せて掲載した点が問題視されたのです。

インフルエンサー本人が広告ルールを十分把握していないケースもあります。ただし、規制対象はあくまで商品やサービスを供給する事業者であるため、投稿内容の管理責任は広告主側にある点がポイントです。

投稿を任せきりにせず、内容の事前確認を徹底する必要があります。

 

  • 広告表示ルールの共有
  • 投稿前チェックの実施
  • 契約書への記載

 

管理体制を整えることで、炎上や景品表示法違反の予防につながります。

参考サイト:大正製薬株式会社に対する景品表示法に基づく措置命令について

 

ステマ例で見る景品表示法違反の判断基準

景品表示法では、消費者が広告だと分かりにくい表示を問題視しています。特にSNS投稿や口コミ施策では、広告表示不足や企業の関与を隠す行為が違反判断につながります。実際の基準を理解して、運用ルールを整えることが大切です。

 

広告表示が不十分なケースの特徴

広告表示が不十分な投稿は、景品表示法違反と判断される可能性があります。消費者が広告と気づかないまま見ると、第三者の中立的な感想と受け取るリスクが生じる点が問題です。

特に問題になりやすいのは、企業が投稿内容に関与しているのに「PR」や「広告」などの表示が見つけにくいパターンです。ハッシュタグの末尾だけに小さく記載した場合、消費者に伝わりにくいこともあります。

長文投稿の途中や折りたたまれた部分に広告表示を入れる方法も注意を要します。閲覧者が表示を見た時点で広告と理解できなければ、不十分と判断される対象となる可能性があります。

違反リスクを避けるには、次の点を意識することが大切です。

 

  • 投稿の分かりやすい位置に広告表示を入れる
  • 誰でも理解できる表現を使う
  • 文字色や大きさで見えにくくしない

 

見えにくい表示ではなく、はっきりと伝える姿勢が求められます。

 

報酬提供を隠した投稿が違反となる理由

報酬提供を隠した投稿は、消費者の判断を誤らせるおそれがあるため問題視される行為です。実際には広告であるのにもかかわらず、個人の自由な感想のように見せる点が違反につながります。

例えば、企業がインフルエンサーへ報酬や商品提供を行い、投稿内容に関与していた場合には注意が必要です。その事実を開示しなければ、景品表示法上のステマと判断される可能性があります。

「自主投稿だった」と説明しても、投稿内容の指示や掲載条件があれば、企業の表示とみなされます。金銭だけでなく、無償提供や招待も判断材料になるため、慎重な運用が求められます。

特に確認したいポイントは以下のとおりです。

 

  • 報酬や無償提供の有無
  • 企業の投稿内容への関与
  • 掲載条件や表現指定の有無

 

企業側は「広告である事実」を隠さない運用を徹底する必要があります。

 

やらせレビューが摘発される根拠

やらせレビューは、消費者へ誤った印象を与えるため問題視される行為です。実際より高評価の商品やサービスを見せる手口は、合理的な選択を妨げるおそれがあります。

例えば、店舗側が口コミ投稿を条件に割引を行うだけなら、通常はただちに違反とはなりません。一方で、「星5」評価や推奨コメントを条件にする場合は、事業者が投稿内容を決めたとみなされる可能性があります。

さらに関係者に高評価レビューを依頼したり、架空アカウントで投稿したりする行為は、口コミ全体の信頼性を失わせる行為です。消費者庁のQ&Aでも、「星5」評価など評価内容を条件にする場合は、事業者が投稿内容を決めていると判断される可能性があると示されています。

特に避けたい行為は次のとおりです。

 

  • 関係者による高評価投稿
  • 評価指定のレビュー募集
  • 架空アカウントの利用

 

短期的な評価向上より、利用者から自然な感想を集める姿勢が大切です。

参考サイト:消費者庁 ステルスマーケティングに関するQ&A

 

ステマ例を踏まえた企業の再発防止策

ステマ問題を防ぐには、担当者の注意だけでは限界があります。企業全体で広告表示ルールを整備して、外部委託先も含めた管理体制の構築が不可欠です。再発防止の取り組みを積み重ねれば、炎上や景品表示法違反のリスクを着実に下げられます。

 

社内ガイドラインの整備

ステマ防止には、社内ガイドラインの整備が欠かせません。担当者任せの運用では、広告表示の漏れや認識のズレが生じやすい点が問題です。

例えば、「PR表記が必要な条件」や「禁止される投稿例」を明文化すれば、担当者が自分で判断できます。SNS運用担当だけでなく、営業や採用担当とも共有しておくことが大切です。

社員個人のSNS利用にも目を向ける必要があります。会社の商品を宣伝する際、所属だけでなく広告である旨を明示しないと、ステマとみなされる可能性があります。

ガイドラインには次の項目を含めると効果的です。

 

  • 広告表示の記載方法
  • 禁止行為の具体例
  • 投稿前確認の流れ

 

ルールを文書化して、定期的に見直す体制づくりが不可欠です。

 

外部パートナー投稿のチェック体制

外部パートナー任せの運用は、ステマリスクを高める原因になります。企業が投稿内容に関与しているのに確認を怠ると、広告表示の漏れが生じやすい点が問題です。

特に注意が必要なのは、インフルエンサーや広告代理店との連携です。委託先が投稿内容をつくる場合でも、広告主の表示と判断されれば、企業側が責任を問われます。

企業側は投稿前の確認を徹底する必要があります。事前にルールを共有して、修正を依頼できる体制を整えておくことが大切です。

確認したいポイントは以下のとおりです。

 

  • 広告表示の有無
  • 誤解を招く表現
  • 投稿内容の事実確認

 

契約書に広告表示義務を記載しておくと、認識のズレを防ぎやすくなります。委託先も含めた管理体制が欠かせません。

 

広告運用記録の保管ルール

広告運用記録の保管は、トラブル発生時の大切な備えです。投稿内容や依頼の経緯を残しておくと、問題が生じた際に迅速な状況確認が可能です。

例えば、インフルエンサーへの依頼内容や投稿確認の履歴を保存しておけば、「誰がどの内容を確認したか」を後から追跡できる体制が整います。口頭連絡だけでは、後から経緯を確認できません。

また、景品表示法違反が疑われた際、社内記録が残っていないと説明に窮する場面も生じます。投稿画像や契約内容も含めて整理しておくことが欠かせません。

特に保管したい情報は次のとおりです。

 

  • 投稿依頼の内容
  • 確認担当者の記録
  • 修正履歴や契約書

 

運用記録を残す習慣が、再発防止とリスク管理の強化につながります。

 

数字で見るステマの実態と規制

2023年10月

日本でステルスマーケティングが景品表示法で正式規制された時期

約60%

消費者がPR表示のない広告に不信感を持つ割合

最大数千万円

景品表示法違反時の課徴金の上限額

まとめ|ステマ例から学ぶ企業の信頼を守るポイント

ステルスマーケティング規制への対応は「法令順守」と「消費者信頼の維持」という2つの目的があります。

  • インフルエンサー・アフィリエイト契約書にPR表示義務を明記し証拠として保管する
  • 過去のマーケティング施策を見直し、PR表示漏れがないか全件チェックを行う
  • 社内マーケティングチームにステマ規制の最新情報を定期的に研修・共有する

ステマは短期的な話題づくりに見えても、発覚すれば企業への不信感を招きます。特にSNSや口コミ施策では、広告と分かりにくい表示や評価を指定したレビュー依頼には注意が必要です。

企業の信頼を守るには、担当者任せにせず、社内ルールや確認体制を整えておく必要があります。インフルエンサーや外部委託先にも基準を共有して、投稿前確認を徹底する姿勢が大切です。

景品表示法への理解を深め、広告である旨をはっきりと示す発信を続ければ、長期的なブランド価値の維持につながります。

 

この記事のポイント

  • 実際に起きたステマ例の実態
  • ステマ例で見る景品表示法違反の判断基準
  • ステマ例を踏まえた企業の再発防止策


よくある質問

ステルスマーケティングとはどのような行為ですか?

ステルスマーケティング(ステマ)とは、広告であることを隠して宣伝活動を行う行為を指します。企業がインフルエンサーに報酬を払ってPR表示なしに商品を紹介させたり、サクラに口コミを書かせたりすることが代表例です。2023年10月の景品表示法改正により、日本でも正式に不当表示として規制対象となりました。

ステルスマーケティングが発覚した企業はどんな処分を受けますか?

消費者庁から景品表示法に基づく措置命令(事実の公示・再発防止策の実施)が課される場合があります。また発覚による炎上・ブランドイメージの毀損・売上低下など、法的処分を超えるビジネス的ダメージが生じるケースが多く、回復に数年かかることもあります。

ステルスマーケティング規制後も合法的に口コミマーケティングを行えますか?

はい、可能です。鍵となるのは「対価の有無に関わらず広告であることを明示すること」です。「#PR」「#広告」「(広告)」などの表記を投稿の冒頭・目立つ位置に必ず記載し、消費者が広告と認識できる形で発信する限り、インフルエンサーマーケティングは合法的に実施できます。

ステルスマーケティングが発覚した企業が取るべき最初の対応は?

①即座に問題のある投稿・広告の停止と削除②消費者庁への任意の申告の検討③公式サイトとSNSでの事実関係の公表と謝罪④再発防止策(ガイドライン整備・チェック体制強化)の公表、という手順が基本です。隠蔽しようとすると炎上が長引くため、早期の自主的な情報開示が信頼回復への近道です。

ステマ規制後も口コミマーケティングを合法的に行うためのポイントは?

①対価提供の有無を問わずAR(広告であることを示すラベル)を付ける②インフルエンサー契約書にPR表示義務を明記する③社内レビュー(インセンティブ付き)は外部には利用しない④代理店・PR会社への依頼時も景品表示法への準拠を契約条件に含める——の4点が安全な運用の基本です。

内村 淳

この記事の著者

内村 淳

株式会社ネット風評被害対策 代表取締役

ネット風評被害対策の専門家として15年以上の実績を持つ。風評被害誹謗中傷対策・サジェスト対策・逆SEO対策・SNS炎上対応など、企業のWebリスク解決を累計10,000社以上支援。ネット誹謗中傷対策に特化した法律事務所に1年間従事し、法的観点からの対応知見を習得。IT技術と法的アプローチの双方に携わってきた経験を持つ。現在、日々進化するAI検索エンジンのアルゴリズムを徹底解析し、AI検索時代に適応した次世代の風評対策に注力している。


監修者情報

株式会社ネット風評被害対策

代表取締役

内村 淳

大学卒業後、サッカー選手を経て、大手風評対策会社に入社。
3年半にわたりナショナルクライアントを含む数々の炎上事案・ブランドイメージ毀損対策に従事。
その後、ネット誹謗中傷対策に特化した法律事務所に1年間従事し、法的観点からの対応知見を習得。
IT技術と法的アプローチの双方に携わってきた経験を持つ。

現在は15年以上の経験とノウハウをもとにネット風評被害対策専門会社を設立。あらゆるネット風評被害対策支援に加え、企業向けコンサルティングや同業他社へのサービス提供も行う。

日々進化するAI検索エンジンのアルゴリズムを徹底解析し、AI検索時代に適応した次世代の風評対策に注力している。

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