誹謗中傷削除の全手順を解説!企業が信頼を取り戻すための実践方法
自社名をネット上で検索した際、根拠のない悪評や虚偽の口コミが目に入り、頭を抱える経営者は少なくありません。こうした誹謗中傷を放置すると、信用低下や取引先離れにつながるおそれがあります。
本記事では、企業が行うべき誹謗中傷削除の正しい手順から、再発防止に役立つリスク管理体制までを詳しく紹介します。ここで解説する対応策を実践すれば、ネット上の信頼を守るための有力な対策となります。
誹謗中傷削除とは?
誹謗中傷削除とは、ネット上に広がる虚偽や侮辱的な情報を適切に取り除き、企業の信用を守るための不可欠な対策です。また、風評被害の拡大を防ぐ基礎となる取り組みです。
誹謗中傷と名誉毀損、侮辱の違い
誹謗中傷の削除を検討する際、その内容が法的に「名誉毀損」と「侮辱」のどちらに当たるかを正しく理解することが大切です。「誹謗中傷」は法律用語ではなく、具体的な事実が含まれているかどうかによって、名誉毀損か侮辱のいずれかに明確に区別されるためです。
名誉毀損は、具体的な事実を挙げて社会的評価を下げる行為を指します。重要な点は、書かれた内容が事実であっても、公共性などの正当な理由がなければ成立するということです。一方、侮辱罪は事実を示さず、「バカ」「無能」といった抽象的な言葉で相手をおとしめる行為に対して成立します。
こうした法的性質の違いを理解すれば、削除の緊急度や、損害賠償請求が可能かといった判断がスムーズになります。状況に応じた最適な対策を決定するための、もっとも基本的な基準です。
削除依頼が必要となる状況
削除依頼が必要になるのは、投稿が企業の信用を不当に傷つけ、事業に具体的な悪影響を及ぼす状況がある場合です。虚偽の内容や事実を大きく歪曲した投稿が残されると、取引先からの印象悪化や採用応募の減少など、多くの場面で不利益が生じます。
特に「事故を隠蔽した」「不正な操作を行っている」などの根拠のない断定的な表現は、企業の信頼低下に直結しやすく、早期の削除が不可欠です。検索結果に悪質な投稿が残ってしまうと、長期的な風評被害が広がり、問い合わせ減少や売上低下につながる事態を招きます。
また、問題の投稿がSNSで拡散される前に対処すれば、被害の拡大を最小限に抑えられます。
削除が必要か判断するためには、投稿内容が虚偽なのか、企業への影響がどれほどなのかを冷静に確認することがポイントです。この客観的な評価こそが、効果的な対応を始めるための第一歩です。
投稿内容の証拠保全
誹謗中傷の削除を依頼する前に、投稿の証拠を確実かつ正確に残すことが不可欠です。削除依頼や法的手続きを進めるには、投稿の事実と内容を示す資料が必ず必要になるためです。
役立つ証拠として、画面全体のスクリーンショットを撮影します。投稿のURLや日時、投稿者IDが表示されている状態で保存することが大切です。スクリーンショットに加え、第三者ツールでウェブページ全体をアーカイブ保存しておくと、後から内容を確認する際の信憑性が高まります。
投稿が削除された後でも証拠があれば、管理者への依頼や弁護士への相談がスムーズに進みます。また、企業側の主張に説得力が生まれるという利点もあります。証拠がそろっていることが、削除対応の結果を左右する大切な基準です。
ネット上の誹謗中傷削除の手順

ここでは、ネット上の誹謗中傷を安全かつ確実に取り除くための基本的な流れを理解し、状況に合わせて正しい判断と対策を進めるための実践的な手順を紹介します。
投稿先管理者への削除依頼
誹謗中傷を見つけた際に最初に行うべき対応は、投稿先サイトの管理者へ削除を依頼することです。多くのサイトには、侮辱的な投稿や虚偽情報を規約違反として扱うためのガイドラインや利用規約が設けられていることが多いためです。
削除依頼を行う際は、投稿のURLや掲載日時を正確に伝えます。そして、どの部分が誹謗中傷に該当するかを具体的に説明することが、スムーズな対応につながるポイントです。多くのサイトで通報フォームが用意されているため、必要事項を入力するだけで依頼できます。
管理者が対応しやすいよう、感情的な訴えではなく事実を整理した形で伝えることが大切です。投稿内容が規約違反と判断されれば、管理者によって削除される可能性が高まります。早期に依頼することで、拡散を防ぎ、風評被害の発生を抑える結果につながります。
ドメイン管理会社への連絡
投稿先管理者が対応しない場合、ドメイン情報を管理する事業者を手がかりに、サイト運営者へ連絡を取る方法があります。Whois情報などから運営者の連絡先を確認し、適切な窓口へ問題の投稿を知らせるというアプローチです。
やり取りの際は、投稿が企業の社会的評価を損ねる内容であることを落ち着いて説明します。そして、削除や掲載者への対応を強く求めます。
ただし、ドメイン関連の事業者はコンテンツの削除権限を持たないケースが多いです。そのため、運営者への連絡や注意喚起しかできない可能性があります。
それでも、運営者不明なサイトでは効果的な手段となり、放置されていた投稿への対応の道が開けます。正確な情報をそろえて依頼することが、結果につながる大切なポイントです。
投稿者本人への削除請求
サイト運営者が削除に応じない場合や、投稿内容が極めて悪質な場合は、法的手続きによって投稿者を特定し、責任を追及する方法へ移行します。なお、投稿者本人へSNS等で直接削除を求める行為は、やり取りをさらされて炎上を招くリスクが高いため、現在は推奨されません。
特定の手続きには、2022年の法改正で新設された「発信者情報開示命令」を活用します。これは従来の手続きよりも簡素化されており、裁判所を通じて、より迅速に投稿者の身元を特定できるようになった新しい制度です。
投稿者が特定されれば、弁護士名での正式な削除請求や損害賠償請求、あるいは刑事告訴といった強力な手段が選択可能です。匿名での逃げ得を許さない毅然とした姿勢を示すことが、企業の信頼を確実に守る一手となります。
弁護士への依頼手続き
誹謗中傷が深刻で、自社だけでは対応が難しい場合、弁護士へ依頼することがもっとも確実な解決方法となります。弁護士は、投稿の違法性を法的に判断し、削除請求や発信者情報開示請求の手続きをすべて代行可能です。
また、投稿者への損害賠償請求にも対応できるため、一貫した専門的なサポートが得られます。依頼する際は、問題の投稿を示す証拠や被害状況をまとめた資料を渡すと、手続きがスムーズです。
弁護士を介することで交渉の説得力が高まり、自主的に削除が行われるケースも少なくありません。費用は発生しますが、迅速性と確実性を求める企業にとって大きなメリットです。被害を長引かせないためにも、専門家への相談は大切な選択肢の一つです。
誹謗中傷削除後の企業リスク対策

誹謗中傷を削除した後も再発や新たな被害を防ぐために、社内体制や情報管理の仕組みを整え、企業として継続的にリスクを抑える取り組みを行うことが大切です。
再発防止のための社内体制整備
誹謗中傷を削除した後、同じ問題が二度と発生しないよう、社内体制を整備することが不可欠です。対応基準があいまいなままでは、外部からの誤解を招き、情報発信のミスが新たな炎上につながりかねません。
まず情報管理ルールや発信フローを分かりやすくします。従業員が迷わず判断できる仕組みをつくることが大切です。例えば、SNS担当者を明確にして、投稿前のチェック体制を整える方法があります。また、SNS利用の注意点や顧客対応時の言葉遣いを定期的に共有することも効果的です。
こうした取り組みで、軽率な発言や誤解を招く対応を減らすことができます。さらにトラブル時の報告フローを定めておけば、問題を早期に把握し、迅速に対応することが可能です。
体制が整えば、誹謗中傷が発生しにくい健全な環境をつくり、企業の信頼維持へとつながります。
SNSや口コミのモニタリング体制
誹謗中傷の再発を防ぐには、SNSや口コミサイトを継続的に監視するモニタリング体制が大切です。悪意ある投稿は早期に見つけるほど対処しやすく、被害の拡散を未然に防げる可能性が高まります。
日常的な確認は、監視ツールの併用がおすすめです。自社名や商品名をキーワード登録し、新しい投稿があれば通知される仕組みを活用することで、口コミ異変を早い段階で察知することが可能です。
また投稿内容を分析し、顧客の不満点やサービス改善点を把握することも、サービスの質向上につながります。
モニタリングはリスク予防と改善の両方を支える大切な取り組みです。定期的に状況を振り返れば、問題が大きくなる前の的確な判断ができ、安定した情報管理が実現します。
トラブル予防の情報発信
誹謗中傷を減らすためには、企業からの情報発信を工夫することが不可欠です。不明確な情報が誤解を与えると、意図しない批判が発生するためです。
そこで、サービス内容や企業方針を分かりやすく伝えます。顧客が安心できる情報を積極的に発信することが大切です。例えば、よくある質問(FAQ)を公開したり、品質管理の取り組みを紹介したりすると、企業への信頼が高まりやすくなります。
誠実な対応姿勢を示せば、顧客の不満が口コミに発展するリスクの抑制が可能です。トラブルが発生した際には、迅速で丁寧な説明を行うと批判が広がりにくくなります。
情報を正しく届ける姿勢こそが、誹謗中傷を受けにくい環境をつくり、企業のブランド価値を守る基盤です。
まとめ|誹謗中傷削除による信頼回復と企業防衛
誹謗中傷を放置すると企業の信頼は大きく損なわれますが、正しい手順で対応すれば被害を抑え、信用を取り戻すことが可能です。
削除依頼の流れを理解し、証拠保全や専門家の活用を組み合わせることで、効率的に問題に対処できます。
また、社内体制の整備やモニタリングの強化を行えば、再発を防ぎやすくなります。今日から必要な対策を進めていきましょう。



